顕微レーザーラマン分光分析装置(RAMAN)

NRS-7100

Raman1

◆Real Standard レーザラマンの新たな時代 ラマン分光光度計

RAMAN2ラマン分光法は、赤外分光法と同じ振動スペクトル測定法ですが、サンプリングが赤外分光法に比べ容易で、赤外顕微鏡では不可能な 微小部位の測定が可能などの特長がある反面、最適測定条件の検討や装置の光学調整等にある程度のスキルが要求されていました。 NRS-7100は、顕微レーザラマン分光光度計に要求される性能、機能を網羅し、システムの制御や光学調整等を自動化することにより、 精度の高いデータを安定して取得することができます。 波数とラマン強度の自動補正、測定に関するアドバイス機能を搭載し、高速イメージングへの拡張性も備えています。

◆NRS-7100

NRS-7100のモノクロメータは500mmの焦点距離を持ち、高分解測定を実現しています。 グレーティングは4枚搭載しており、広帯域測定、及び高分解測定の両方に対応しています。 さらに極低波数測定ユニットを搭載した場合、10cm−1の極低波数領域まで測定できます。

◆優れたハードウェアに裏付けされたラマン測定

高性能モノクロメータ
収差補正型ツェルニターナ配置モノクロメータを採用することにより、検出器上の結像性能を高め、高品位なスペクトルが測定できます。 波数移動再現性は、高精度ロータリーエンコーダ付ダイレクトドライブ機構により0.1cm−1以下の高い再現性を誇ります。 また自動グレーティング切換機構により、複数のグレーティングを搭載することができます。
高強度・高剛性システムによる高安定性
光学系は環境温度変化や振動に強い構造の筐体に配置されており、さらにアルミハニカムベンチの上にシステム全体が構築されているため、 再現性に優れたデータが得られます。

◆自動化による最適な測定環境

光学調整の自動化
オートアライメントは、レーザ光を光センサーでモニタし、最適位置になるようにレーザアライメントミラーを自動調整します。 自動ラマン光路調整機能は、集光されたラマン散乱光が分光器の入射スリット上に焦点を結ぶよう、光軸調整を行います。
SGI(Slit Guide Image)
SGIは、分光器の入射スリット側からマーカー用LDレーザを照射し、顕微鏡ステージ上にスリット像を投影します。
複数レーザ搭載とデュアル検出器切換機構
Raman3 NRS-7100は、355nm、532nm、及び1064nmの3レーザを搭載しています。さらに、CCD検出器とInGaAs 検出器の2台を搭載し、切り換えて使用することができます。
蛍光が出て測定が困難な生体試料、農産物などでも1064nm励起では明瞭にラマンスペクトルが得られます。

木材(リグニン)のラマンスペクトル

◆多彩な画像観察と測定モードを提供

多彩な顕微画像観察
顕微画像は、本体に内蔵された高解像度CMOSカメラによりPCのモニタ上に表示され、 さらにデジタルズームにより高倍率で観察することができます。 落射照明と透過照明からソフトウェア上から選択できます。
マクロ測定
Ramann4
マクロ測定は、50〜100μmのレーザビーム径で試料に照射することにより、試料の平均的な情報を得ることができます。角型石英セル中のサンプルを容易に測定できます。

マクロ測定

◆新時代の高速イメージング SPRIntSイメージングシステム

Raman5日本分光のSPRIntSイメージングシステムは、スキャンミラーによりレーザ光を試料上に走査して高速でイメージング測定を行うVertiScan と、 CCD検出器からのデータを高速で取り込む高速データ取込機能、VertiScan とZ自動ステージとの組み合わせによる3Dイメージング、AF マッピング、 オートフォーカスおよびマルチフォーカス機能を搭載しています。

半導体材料の高分解イメージング1
(100倍対物レンズ、100nmステップ)

Raman6VertiScan は、試料に対してレーザ光を常に垂直に照射するようになっており、 共焦点性を損なうことなく歪みのない高品質のイメージデータを取得することができます。 レーザ光は、最小25nmステップ(100倍対物レンズ使用時) で動かせるため、微細構造の解析に威力を発揮します。 「半導体材料( シリコン) の高分解イメージング2」のデータより、約250nmの空間分解能が確認できます。

半導体材料の高分解イメージング2
(100倍対物レンズ、40nmステップ)


3Dイメージング
3Dイメージングは、共焦点の利点を最大限に活かし、試料の深さ方向の情報と面情報を組み合わせて試料の3Dケミカルイメージを提供します。Raman7

液晶パネル構造のイメージ(左)と、各層のキーバンドで4Dイメージング表示を作成


オートフォーカスとマルチフォーカス
Raman8イメージングシステムには、オートフォーカスとマルチフォーカス機能が付属しています。 マルチフォーカス機能は、Z自動ステージにより顕微鏡の焦点位置を連続的に変えながら各画像を取り込み画像処理を行うことにより、 全ての面で焦点が合った全焦点画像を得ることができます。また、3次元形状観察像を構築することもできます。

全焦点画像

◆スペクトルマネージャが実現するラマン分析のリアルスタンダード

NRS-7100のソフトウェアは、日本分光の赤外顕微鏡に採用されているソフトウェアと共通のコンセプトのもとに開発されており、 扱いやすい上に高度な解析機能が搭載されています。

測定プログラム
測定プログラムは、機能毎に分かれたウィンドウから構成されています。測定データに対して波数補正や感度補正、蛍光補正、宇宙線除去がリアルタイムで行えます。 多点測定やライン測定、格子測定、3D測定が可能となり、マルチ画像機能により広域の顕微画像を合成することができ、測定ポイントや測定エリアの設定が行えます。

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格子測定(左)と、蛍光補正前(右上)蛍光補正後(右下)


解析プログラム
Raman10標準解析プログラムには、差スペクトル、ピーク検出、カーブフィッティングや自動蛍光補正機能などが用意されています。 イメージングシステムを搭載している場合には、スペクトルからピーク高さ/高さ比、面積/面積比、ピークのシフト量、半値幅を計算し、 ケミカルイメージを構築するプログラムが付属しています。

解析プログラム(イメージングシステム)


仕様

NRS-7100(特別仕様)
Raman11
関連情報(メーカHPへのリンク)
レーザラマン分光光度計(NRS-5000/7000)
レーザラマン分光光度計(NRS-4100)
多目的レーザラマン分光光度計(RMP-500 Series)
ラマン分光法の基礎
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