走査型分析電子顕微鏡(SEM1)
装置概要
昭和63年3月より稼働してきました走査型電子顕微鏡を関係各位の皆様のご尽力によりこの度更新することができました。
従来のSEMは年間約1300時間稼働というご愛顧をいただきました。旧機種に比較して,軸合わせ,観察の際の自動機能,画像編集機能などが飛躍的に向上し,初めての方でも容易にSEM観察できるようになっています。また,旧性能に加えて,新機種では低真空モードでの測定,試料冷却ステージを利用した測定が可能となっています。これにより,高分子・セラミックなどの絶縁物の無蒸着観察や,生体などのwet試料の観察ができます。
装置仕様
1. 装 置
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走査型電子顕微鏡(SEM)
日本電子株式会社 JSM-5610 -
エネルギー分散形X線分析装置(EDS)
日本電子株式会社 ウルトラミニカップEDS検出器
2. 仕 様
[SEM]
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分解能
3.0 nm(高真空モード: 加速電圧30kV, WD6mm,二次電子像)
4.5 nm(低真空モード: 加速電圧30kV, WD8mm,反射電子像) -
倍率
18倍~30万倍(全136段): 自動倍率補正機能付 -
検出器
二次電子検出器(光電子倍増管),反射電子検出器(半導体検出器) -
像の種類
二次電子像(高真空モード時のみ),反射電子像,凹凸像,立体像,組成像 -
観察機能
フォーカス,コントラスト,ブライトネス,非点収差,試料傾斜: 自動,マニュアルいずれも可能 -
加速電圧
0.5~30kV (53段) -
フィラメント
ヘアピン型タングステンフィラメント -
・試料サイズ
最大125mmφ全面観察可能 -
試料ステージ
X方向: 80 mm, Y方向: 40 mm, Z方向: 43 mm(高倍率観察時に約±10μm電磁視野移動が可能)
傾斜: -10゜~90゜(ユーセントリックゴニオステージ)
回転: 360゜任意
低温ステージ(ペルチェ効果により-25℃まで冷却可能):脱着方式 -
到達圧力 油回転ポンプ(100 l/min ×2台)+油拡散ポンプ(420 l/s×1台)
0.1mPaオーダー(高真空モード): 所用時間 約100秒
1mPaオーダー(低真空モード(試料室圧力27Paのとき)): 約90秒 - 基本システム IBM PC/AT 互換パソコン(OS: Windows 2000)主にマウス入力
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画 像
画素数 640×480,1280×960 各種画像処理可能 -
データ保存
撮影画像はいったんHDに取り込まれます。
各ユーザーの保存はMOを基本としています(BMP/TIFF/JPEG)
[EDS]
- 検出可能元素 B(原子番号5: ホウ素)~U(原子番号92: ウラン)定性(スペクトル検索)・定量分析
- 検出器 Si (Li) 半導体 (分解能: 138eV以下(55Fe, 5.9 keV,1000cpsのとき))常時冷却が不要となりました。測定時に0.8リットルの液体窒素を入れて下さい(これで15時間測定可能)
- 成分分析 SEM画像に対応する 面分析,線分析,点分析が可能です。