走査型光電子分光分析装置(SPES)

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機器名 走査型光電子分光分析装置
型番 PHI X-tool
製造社 アルバック・ファイ

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主な仕様

最小ビーム径 20μm以下
最高エネルギー分解能 0.5eV以下 ( Ag3d 5/2 )
試料ホルダーサイズ 75mm×75mm

多数の試料を並べて、それらの試料表面内の元素マッピングを行うことも可能です。

適用研究分野および期待される性能

1.電子分光法と極表面分析

電子分光法とは通常の”光”(広い意味での電磁波でγ線から電波までを含む)の代わりに負電荷と質量を有する電子のエネルギーを分析(分光)することで測定対象から様々な情報を引き出す分光法である。測定対象を固体に限って述べると,光は固体内部へ進入したりあるいは内部から放出されたりして試料全体からの情報を得ることになる。実際蛍光X線分析では固体表面から数ミクロンまでの内部を含んだ情報を与える。ところが電子の場合は,固体内での平均自由行程が数十オングストロームと極めて小さく,せいぜい数原子層分表面から内部へ入ったところまでの情報だけをあたえる。本装置を用いることで極表面の組成および元素の電子状態(原子価)を知ることができる。

2.表面分析とその適応研究分野の例

固体では,表面エネルギーのためにバルクの組成と表面での組成が大きく異なることが良く知られており,特に触媒やセンサー,Si表面を微細に加工して作成される電子デバイス,機能性高分子や超微粒子材料の開発においては,表面での組成やエネルギー状態を知ることが必須である
近年の真空技術の発展とコンピュータ技術の進歩によって比較的容易に電子分光装置を作成できるようになり市販の高性能機を高価ながらも入手可能となってきた。本装置もそれらの1つであり,最近の機能性材料開発研究に重要な役割を果たすと期待され実際いくつかの研究グループが精力的に本装置を利用している。

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